私が子どもたちに絵本を読んでいた頃、将来どのような効果が出るのかを考えていたわけではありません。子どもが本を持ってきたから読む。寝る前になったから読む。一緒に過ごしたいから読む。英語でも日本語でも、その日に選んだ本を読みました。

すぐに日本語の力として表れたわけではありません。一冊読んだからといって、日本語の言葉が急に増えたわけでもありません。それでも、その時間は子どもたちの中に残っていました。

日本語で聞いた物語。繰り返し出てきた言葉。好きだった絵。同じ場面で一緒に笑ったこと。ベッドに入り、眠る前に聞いた私の声。図書館で日本語の本を見つけたとき、子どもが嬉しそうに持ってきてくれたこと。

読み聞かせで残ったのは、言葉だけではありませんでした。日本語と一緒に過ごした、親子の記憶でした。

子どもたちにとって日本語は、机に向かって勉強するためだけのものではありません。ママと一緒に読んだ本の言葉。家族と話す言葉。自分の小さい頃の思い出につながる言葉。そういうものになっていました。

日本語を残すということは、言葉だけを子どもの中に入れることではないのだと思います。その言葉を使って、一緒に過ごした時間を残すことでもあります。

『ママの日本語は、ちゃんと届いている』

がんばりすぎない日本語教育と絵本の読み聞かせについて、私自身の体験を交えてまとめました。