日本語の本や漫画を読んだり、日本語の歌や動画を見たりしている子どもは、日本語の音や言葉によく反応しました。教室で絵を見せると、「これ、知っている」と、すぐに言葉が出ることがあります。
その言葉を日本語で完全に説明できなくても、どこかで聞いたことがあるのです。先生の話す日本語を聞いたときにも、「前に聞いた言葉かもしれない」と耳を傾けます。特に、子どもが好きなものに関する言葉は、よく覚えていました。
私の教室でも、ポケモンには何度も助けられました。ポケモンには、動物、鳥、虫、魚、草花など、いろいろなものを思わせる登場人物がいます。動物の名前を普通の絵カードだけで覚えるより、子どもが知っているキャラクターと結びつけた方が、イメージが浮かびやすいことがあります。「草」「火」「水」といった言葉も、好きな世界と結びつくと、ただ暗記する言葉ではなくなります。
「好き」を入り口にする例
- 動物が好きなら、日本語で何と言うのか見てみる
- 車が好きなら、日本語の車の本を開いてみる
- 料理が好きなら、食材の名前を日本語で言ってみる
- 漫画が好きなら、知っている短い言葉を探してみる
何に興味を持つかは、一人ひとり違います。日本語そのものに興味を持たせようとしても、難しいことがあります。でも、子どもがすでに好きな世界の中に日本語があれば、「これは、日本語で何と言うのだろう」という気持ちが生まれることがあります。
日本語を入り口にするのではなく、子どもの「好き」を入り口にするのです。
『ママの日本語は、ちゃんと届いている』
がんばりすぎない日本語教育と絵本の読み聞かせについて、私自身の体験を交えてまとめました。