日本語を残してあげたいと思うのは、親の願いです。けれど、実際に学ぶのは子どもです。親が大切だと思っている日本語を、子どもも同じように大切だと思っているとは限りません。

小さい頃は、親に言われたとおりに勉強してくれるかもしれません。しかし、年齢が上がると、現地校の宿題、スポーツ、習い事、友達との時間など、子どもの生活は忙しくなります。

「どうして学校の宿題のほかに、日本語も勉強しなければいけないの?」そう思う日が来るかもしれません。そんなとき、「日本人なんだから日本語を勉強しなさい」と言うだけでは、子どもには届かないことがあります。

なぜ日本語を残してほしいと思っているのか。日本語ができたら、誰と話せるのか。どんな楽しいことが待っているのか。親自身の言葉で、子どもに伝えることが大切です。

そして、子どもの気持ちにも耳を傾けます。今は読み書きが負担なのかもしれません。学校へ通うより、家で絵本を読む方が好きかもしれません。日本語の勉強には興味がなくても、日本のアニメや料理、音楽には興味があるかもしれません。

親が用意した道を歩かせるだけではなく、子どもがどこに興味を持っているのかを見つけることも、日本語を長く続ける助けになります。

嫌がるときには、少し休んでもいい。今はそのタイミングではないと考え、待つことも一つの選択です。

一度休んだからといって、すべてが終わるわけではありません。日本語とのつながりは、勉強だけで作るものではないからです。一緒に食べた日本料理、日本で過ごした夏休み、ママが歌ってくれた歌、何度も読んでもらった絵本。そんな楽しい記憶も、子どもを日本語につなぎとめてくれます。

『ママの日本語は、ちゃんと届いている』

がんばりすぎない日本語教育と絵本の読み聞かせについて、私自身の体験を交えてまとめました。