赤ちゃんの頃は、親の声を聞かせる。言葉が出始めたら、絵と名前を一緒に楽しむ。幼稚園の頃は、物語の中で、いろいろな気持ちに出会う。学校へ入ったら、自分で読む力を助けながら、聞いて楽しむ時間も残す。大きくなったら、その子の興味の中に日本語を置いてみる。

このように目安を持つことはできます。でも、年齢は絶対ではありません。

五歳でも短い絵本が好きな子がいます。小学生でも、読み聞かせを楽しむ子がいます。年齢より難しい本を聞きたがる子もいます。文字には興味がなくても、歌や会話なら日本語を楽しめる子もいます。

「この年齢なら、ここまでできるはず」と考えると、できていないことばかりが目に入ります。

「今、この子は何が好きだろう」「どのくらいなら楽しめるだろう」そう考えると、その子に合う方法が見つかりやすくなります。

私も、二人の子どもを比べ、ほかの家庭の子どもと比べ、何度も心配しました。けれど、子どもにはそれぞれの時期がありました。急いでできるようにさせなくても、時期が来ると、自分から始めることがあります。

親ができるのは、子どもが興味を持ったときに、手を伸ばせるものを近くに置いておくことです。絵本を一冊置いておく。日本語の歌を一緒に歌う。好きなものの日本語の名前を伝える。「読んで」と言われたら、隣に座る。そんな小さな関わりで十分です。

読み聞かせに、遅すぎるということはありません。しばらくできなかったとしても、今日からまた始められます。子どもと一緒に過ごせる時間には限りがあります。だからこそ、できなかった日を数えるのではなく、一緒にできた一回を大切にしてほしいと思います。その一回が、子どもの中に言葉を残し、親子の思い出になります。

『ママの日本語は、ちゃんと届いている』

がんばりすぎない日本語教育と絵本の読み聞かせについて、私自身の体験を交えてまとめました。