幼稚園に入ると、家族以外の子どもたちと過ごす時間が増えます。友達と遊ぶ楽しさを知る一方で、おもちゃを取られたり、仲間に入れてもらえなかったり、けんかをしたりすることもあります。
絵本の中にも、似たような出来事が出てきます。仲間に入れてもらえず、悲しんでいる登場人物。大切なものを取られて、怒っている登場人物。失敗して、恥ずかしいと思っている登場人物。友達に助けてもらって、嬉しくなった登場人物。
私は、絵本を読みながら、「くまさん、悲しかったんだね」「うさぎさんが助けてくれて、嬉しかったね」などと話していました。
子どもは、「悲しい」「悔しい」「寂しい」といった、目に見えない気持ちを、最初から上手に説明できるわけではありません。物語と絵があると、表情や出来事を見ながら、気持ちを言葉にすることができます。
実際に友達とけんかをしたときにも、「あなたも悲しかったけれど、お友達も悲しかったのかもしれないね」と話せるようになりました。絵本の中で一度出会った気持ちだからこそ、自分や相手の気持ちを考える助けになったのだと思います。
ただし、絵本を読むたびに質問しなくてもかまいません。静かにお話を聞きたい日もあります。子どもが自分から話し始めたときには、答えを教えるより、まずその話を聞いてみてください。大人が思ってもいなかったことを感じているかもしれません。
『ママの日本語は、ちゃんと届いている』
がんばりすぎない日本語教育と絵本の読み聞かせについて、私自身の体験を交えてまとめました。