子どもが少しずつ言葉を話し始めると、絵本の楽しみ方も変わってきます。絵を指して声を出したり、知っているものの名前を言ったりします。「いぬ」「くるま」「りんご」——大人にとっては簡単な一語でも、子どもにとっては、自分の知っているものと音がつながった大切な言葉です。
この頃は、身近なものが大きく描かれている絵本や、同じ言葉が何度も出てくる絵本をよく読みました。子どもが犬を指したら「いぬだね」と言います。少し慣れてきたら「白いいぬだね」「大きないぬだね」と、言葉を一つ足します。
子どもが英語で “dog” と言ったら、「そう、dogだね。日本語では、いぬだよ」と返してもいいでしょう。すぐに「いぬ」と言わせる必要はありません。子どもが伝えようとしたことを受け取り、そのあとに日本語を添えます。
「言ってごらん」と促すと喜んでまねをする子もいれば、言うように求められると黙ってしまう子もいます。その子の様子を見て、言いたそうなときに一緒に言えば十分です。正しく言えなくても、すぐに直す必要はありません。
伝えようとしたこと、声に出そうとしたことを、まず受け取ってあげてください。
「知っていたね」「見つけたね」「教えてくれて、ありがとう」——そう言って一緒に喜ぶことが、次の言葉を使ってみようという気持ちにつながります。
『ママの日本語は、ちゃんと届いている』
がんばりすぎない日本語教育と絵本の読み聞かせについて、私自身の体験を交えてまとめました。