言葉には、大きく分けて「聞く・話す・読む・書く」という四つの力があります。この四つはつながっていますが、同じ速さで伸びるわけではありません。
まず、「聞く」力があります。相手が言った日本語を聞き取り、その意味を理解する力です。
次に、「話す」力があります。自分の気持ちや考えに合う言葉を探し、文章にして相手に伝える力です。
そして、「読む」力があります。文字を音に変えるだけでなく、そこに書かれている内容を理解する力です。
最後に、「書く」力があります。文字の形を覚えて書くことから始まり、自分の伝えたいことを文章にするところまで含まれます。
- 聞く — 相手の日本語を聞き取り、意味を理解する
- 話す — 気持ちや考えに合う言葉を探し、伝える
- 読む — 文字を音に変え、内容を理解する
- 書く — 文字を書くことから、文章を組み立てることまで
親の日本語をよく理解していても、日本語では返事をしない子どもがいます。会話はできても、ひらがなを読めない子どももいます。ひらがなや漢字を読めても、会話になると言葉が出てこない子どももいます。文字を写して書くことはできても、自分で文章を考えて書くことが難しい子どももいます。
どの子どもにも、できることと、まだ難しいことがあります。その違いを知らないまま、すべての力を同時に求めてしまうと、親も子どもも苦しくなります。
日本語で話せるなら、ひらがなも読めるはず。ひらがなを読めるなら、本の意味も分かるはず。日本人の親がいるなら、日本語ができるはず。そんな「はず」をいったん横に置いて、今、子どもにどんな力があるのかを見てみることが大切です。
ママの日本語を聞いて、靴を持ってくることができる。「おなかすいた」の意味が分かる。日本語で挨拶ができる。好きな食べ物の名前を言える。ひらがなをいくつか見分けられる。絵本を読んでもらうことを楽しめる。
それぞれが、日本語の大切な力です。できないことを探すのではなく、まず、すでにできていることを見つけてあげたいと思います。
がんばりすぎない日本語教育と絵本の読み聞かせについて、私自身の体験を交えてまとめました。