この本を読んでいるあなたも、あの頃の私と同じように悩んでいるかもしれません。子どもが日本語で話してくれない。せっかく覚えた文字を忘れてしまう。日本語学校へ行きたがらない。家庭学習を続けられない。ほかの家庭の子どもと比べてしまう。自分の日本語教育が間違っていたのではないかと思う。
でも、今、結果が見えないからといって、何も残っていないわけではありません。
その一つひとつが、日本語とのつながり
- 今日、日本語で話しかけたこと
- 一緒に絵本を一ページ読んだこと
- 日本の食べ物を「おいしいね」と言ったこと
- 日本の家族に「こんにちは」と言えたこと
- 子どもの好きな動物を、日本語で何と言うか一緒に見たこと
すぐに芽が出ないこともあります。親から見えないところで、子どもの中に残っていることもあります。成長してから、別々だった音、言葉、文字、思い出がつながることもあります。
だから、焦らなくて大丈夫です。今、全部を教えなくても大丈夫です。できない日があっても大丈夫です。疲れたら休んでも、方法を変えてもいいのです。
大切なのは、親子が日本語を嫌いにならないこと。日本語が、親に叱られた記憶だけにならないこと。日本語の向こうに、大好きな家族や、楽しい物語、温かい時間があることです。
親が子どもに渡せるのは、完璧な日本語だけではありません。日本語に触れる機会。日本語で一緒に笑った記憶。いつでも日本語に戻ってきてよいという安心。それも、子どもへの大切な贈り物です。
私も、何度も迷い、失敗し、立ち止まりました。それでも、子どもたちが成長した今、続けてきた小さなことには意味があったと感じています。
あなたが今日している小さなことも、すぐには見えなくても、お子さんの中に何かを残しているかもしれません。あなたは一人ではありません。完璧でなくても大丈夫です。あなたとお子さんには、あなたたちに合う道があります。
『ママの日本語は、ちゃんと届いている』
がんばりすぎない日本語教育と絵本の読み聞かせについて、私自身の体験を交えてまとめました。