以前の私は、日本語を学ぶなら、まずひらがなを覚えることが当然だと思っていました。ひらがなが読めなければ、日本語の勉強を始められない。そんなふうに考えていたのです。
でも、教室でいろいろな子どもたちに出会い、考えが変わりました。私の暮らすカナダには、家庭で英語以外の言葉を話す人がたくさんいます。家族とは親の言葉で会話ができても、その言葉を読み書きできない人もいます。話せることと、読み書きできることは同じではありません。
日本語で家族と会話をすることが目的なら、読み書きより先に、聞くことや話すことから始めてもいいのです。
読み書きの前から始められること
- 挨拶をする
- 好きな食べ物の名前を言う
- 歌を歌う
- 絵を見ながら言葉を聞く
- 短い会話をまねする
ひらがなが必要ない、ということではありません。ひらがなが読めるようになると、自分で日本語の言葉を見つけられるようになります。本や漫画を読んだり、歌の言葉を見たり、日本語の世界を広げたりできます。
でも、すべての文字を覚えるまで、日本語を楽しむのを待つ必要はありません。
聞くこと、話すこと、見ること、歌うことと一緒に、少しずつ文字に触れればよいのです。
『ママの日本語は、ちゃんと届いている』
がんばりすぎない日本語教育と絵本の読み聞かせについて、私自身の体験を交えてまとめました。