日本語クラスで、ひらがながどうしても苦手、克服できない人、なかなか読めるようにならないよね、っていう生徒さんいらっしゃいませんか?
私の住んでいるカナダは世界各国からの移民がとても多い国です。その方たちは母国語が中国語、韓国語、スペイン語など。電車やバスの中では、全世界の人に出会えるほど。
日系人という、祖父母が日本人という家庭はほとんど英語、国際結婚した家庭は英語と日本語を、みなさん家庭でそれぞれ、その言葉を話します。子供達は学校では全員、英語で教育を受けます。
日本語学校には両親や片親が日本語を話す子供はもちろん、両親が他言語の生徒も増えていて、毎年3人から5人ほどが日本語に興味を持って、全く初めて日本語を学ぶ子どもたちが入ってきます。
1日12時間として日本語レッスンを受ける時間は2時間。1週間が84時間でも日本語レッスンを受ける時間はやっぱり2時間。家族との対話や宿題を足して、その時間数を増やそうとします。他言語を話す家庭では家族との対話はないうえ、親は日本語がわからないので、宿題を手伝ってもらえません。ですからやっぱり、84時間中2時間。
子どもたちの生活はというと、学校では英語のスペル、表現、読解などを学び、算数の言葉も、友達との会話も、スポーツをすればその全てが英語で過ごす、英語で考える時間です。
家に帰ってきて、今日の出来事を聞くと、小さい頃はやることも言葉もシンプルだったので、英語で起こった出来事も日本語で話せました。が、大きくなると話す内容も複雑になり、勉強言葉や難しい表現を日本語で知らないと話が進まない、言葉に詰まってしまうことが起こり始め、その状況を英語のまま話すようになります。
いくら家庭で日本語を話していても、生活していくうちに、日本語より英語の割合が増えてくるので仕方ありません。こういった状況を踏まえた上で、日本語学習をどうするかを大人が考えて行く必要があります。
日々学校でたくさんのことを学んでいる子供たちに、ひらがな46文字を全部覚えてもらうのは大変。これを目標にすると、子どもたちに大きなプレッシャーがかかって、日本語つまらない、嫌だ、やりたくない、という気持ちが出てきます。日本語学習を続けたいのに、ガックリ挫折、と言う親子をたくさん見てきました。
「ひらがな」という大きな壁を、がんばれ!がんばれ!登れ〜!!と言って続けられるのは少数。
言語学習は長い道のりだからこそ、「楽しいな」「結構簡単だな」「自分はできるな」——子どもたちを笑顔にする気持ちが、続ける一番のコツです。
日本語学習で最も必要なことは、読み書きより日本語の音を聞き、口を動かしていうことです。それは大人でも全く同じで、無理やり学校へ連れて行く親やガミガミ言う親はいないけれども、ひらがなの壁が大きすぎて最初の段階で挫折してしまう人も多いです。
大人でもやっぱり楽しいな、結構簡単だな、自分はできるな、と思うことが、気持ちよく勉強し続けられることだと思います。特に大人の教科書はひらがなだらけ。理解の前に「何て文字だっけ」がずっと続くと、疲れてやる気がなくなっていきます。
この壁をできるだけ軽く乗り越えられるように、短い言葉で見慣れているアルファベットを使ったローマ字を振って、ひらがな文字と同時に見る練習帳を作りました。言いやすい、覚えやすい、ひとめでわかる、を何回も繰り返しやってもらうために、文字に慣れるまでローマ字で振り仮名を付けています。慣れたらローマ字を消して、絵と文字を見て、練習するようにします。
- ひらがな46文字を一気に覚えさせようとしない
- 「楽しい・簡単・できる」と感じられることが継続のコツ
- 読み書きより先に、耳で聞いて口で言う練習を優先する
- 慣れるまではローマ字のふりがなを補助として使ってOK
ローマ字の振り仮名つきで、ひらがなに慣れるまで無理なく進められる練習帳を作りました。くわしくはWorkBooksページをご覧ください。